「どこがいいのか分からない」その迷いに寄り添います
「特養に申し込んだけど、本当に合っているのか分からないんです」
退院支援カンファレンスの場で、介護初心者のユキさんがそう話してくれたことがあります。
資料を見ても、ネットで調べても、どの施設も同じに見えてしまう――。これは、決して特別なことではありません。
私たち医療者ですら、制度の違いを完全に理解していないこともあります。だからこそ、まずは「違いを知ること」から始めるのが安心です。
この記事では、主な入所施設の特徴と違いを、現場での経験をもとにやさしく解説します。
最後まで読めば、「うちにはこれが合っていそう」と、自然に判断できるようになります。
選択肢が多すぎて、逆に分からなくなる
入所型の介護施設は、主に5つに分かれます。特養(特別養護老人ホーム)、老健(介護老人保健施設)、有料老人ホーム、グループホーム、そしてサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)。
どれも「住めて介護もある」ように見えるため、「どう違うのか」「どう選べばいいのか」が分かりづらくなりがちです。
でも、それぞれには明確な目的と役割があります。
まずは、その違いから整理していきましょう。
入所型介護施設の種類と特徴
種類別チャート
高齢者介護施設 比較チャート
(所得に応じて軽減措置あり)
(医療保険に準ずる)
どう選べばいい?看護師の視点から
まずは「今」必要なサポートを見極める
「とりあえず特養に申し込んだ」「近くに空いている老健があったから」――よくある選び方ですが、本当にその人の状態に合っているかどうかが大切です。
例えば、「リハビリをすればまだ動けそう」な方にとっては、特養よりも老健の方が適している場合があります。
要介護度と施設の受け入れ条件を確認する
「要介護3以上じゃないと特養に入れない」など、施設ごとに受け入れ条件があります。
まずは、担当のケアマネージャーと一緒に、要介護認定の内容を確認しましょう。
家族の生活とのバランスを考える
どんなに良い施設でも、遠すぎて面会に行けない場所では、家族の負担が大きくなってしまいます。
「施設選びは、本人だけでなく家族も含めた暮らしの設計です」
これは、私が何度もお伝えしていることです。
見学や体験入所を活用しよう
パンフレットやホームページだけでは分からないことが、現地にはたくさんあります。
スタッフの雰囲気、他の入所者との関係性、施設内のにおいや清潔感。実際に足を運ぶことで「ここは安心できそう」と感じられることも多いです。
「もし迷ったら、まずは見学してみるのがおすすめです」
最後に伝えたい7つの選び方のヒント
☑ 入所の目的を「今の困りごと」から整理する
☑ 要介護度と施設の条件を照らし合わせる
☑ 家族の生活とのバランスを忘れずに
☑ 豪華さや費用より「合っているか」を重視する
☑ 見学で雰囲気を肌で感じる
☑ 迷ったときはケアマネや看護師に相談する
☑ 最初から正解を求めすぎなくて大丈夫。途中で見直してもOKです
「特養、老健、グループホーム…どこがいいのか分からない」
そんな迷いを抱えていたあなたが、この記事を読んだあとには、「今、これが合っているかも」と感じてもらえていたらうれしいです。
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不安になったら、一人で抱え込まず、この記事を開いて確認しましょう。
あなたのケアの一歩が、明日の安心につながりますように。