認知症の物盗られ妄想、7つの対応策

容疑をかけられた人
著者について
  • 看護師6年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。

「認知症の親が『物が盗られた!』と毎日騒いで困っています…。どうしてそんなことを言うのか、理由を知りたいです。」

「物盗られ妄想が出た時、どう対応すれば良いのか分からず、いつも困ってしまいます。具体的な対応方法を教えてください。」

「物盗られ妄想の介護は、本当に疲れます…。介護者の心のケアについても知りたいです。」

もし、あなたが今、このような悩みを抱えているなら、この記事はきっとお役に立てるでしょう。

認知症の物盗られ妄想は、介護者にとって、とても辛く、どう対応して良いか分からないと感じる症状の一つです。

この記事では、物盗られ妄想が起こるメカニズムから、具体的な対応方法、そして介護者の心のケアまで、7つのポイントに分けて詳しく解説します。

この記事を参考に、物盗られ妄想への理解を深め、少しでも安心して介護ができるように、共に学んでいきましょう。

BPSDって何?って方は、こちらの記事からどうぞ!

check

1. 認知症の物盗られ妄想、その特徴とは?

認知症の物盗られ妄想とは、認知症の方にみられる症状の一つで、自分の物が誰かに盗まれたと思い込んでしまうことです。

認知症になると、記憶力や判断力が低下し、現実と妄想の区別がつきにくくなることがあります。そのため、実際に盗まれたわけではないのに、「物が盗まれた」という強い思い込みが生じることがあります。

  • 財布や鍵などの貴重品を盗まれたと訴える。
  • 自分が隠したものを誰かに盗られたと訴える。
  • 身に覚えのない物を盗られたと訴える。
  • 特定の人物を犯人だと決めつける。
  • 盗まれたと訴えるだけでなく、激しく怒ったり、悲しんだり、不安になったりする。

物盗られ妄想は、認知症の方によく見られる症状であり、介護者にとって対応が難しい場合もあることを理解しました。

2. 物盗られ妄想、なぜ?そのメカニズム

物盗られ妄想は、認知症による脳の機能低下だけでなく、心理的な要因も関係しています。

認知症になると、記憶障害や見当識障害などの症状によって、自分の物をどこに置いたか忘れてしまったり、物を探しているうちに「盗られた」と誤解してしまうことがあります。また、不安や寂しさなどの感情が、妄想を悪化させることもあります。

  • 記憶障害により、物の置き場所を忘れてしまう。
  • 見当識障害により、いつどこで物を置いたかを思い出せない。
  • 判断力の低下により、事実と妄想の区別がつかない。
  • 不安や孤独感から、誰かに盗まれたという妄想を抱いてしまう。
  • 自信喪失や自尊心の低下から、周囲を疑ってしまう。

これらの原因は、全部がつながっていたりします。

私が見てきた物盗られ妄想の方々は、きっとこんな感じなんだろうなと思います。

1→2→(時間経過)→3→4と進みます。

物盗られ妄想は、脳の機能低下だけでなく、心理的な要因も複雑に絡み合っていることが分かりました。

3. 物盗られ妄想への対応、基本の4つ

物盗られ妄想への対応は、まずは、認知症の方の気持ちに寄り添い、冷静に対処することが大切です。

妄想を否定したり、反論したりすることは、認知症の方を混乱させ、症状を悪化させる可能性があります。まずは、共感の気持ちを持ち、認知症の方の訴えを受け止めましょう

  • 否定や反論はしない: 認知症の方の妄想を頭ごなしに否定したり、反論したりすることは避けましょう。
  • 落ち着いて話を聞く: 認知症の方の訴えを、まずは落ち着いて、じっくりと聞きましょう。
  • 共感する: 「それは、不安ですね」「それは、大変でしたね」と、気持ちに寄り添う言葉をかけましょう。
  • 一緒に探す: 認知症の方の訴えに応じて、一緒に物を探しましょう。

犯人扱いは不快ですよね。自分を信用できないのかと悲嘆しないでください。病気がさせることです。

なくなる不安

認知症の方々は、どんどんと自分の世界から知っているものや人、事柄が少なくなっていっている状態です。

そんななかでは、「知っているもの」が無くなったという事象は不安でたまらないのだと思います。

誰が盗ったとか、相手が誰かといったことはあまり関係なく、「無くなった!盗られた!」で頭が占領されているように感じます。

物盗られ妄想への対応は、否定せずに共感し、寄り添うことが基本だと理解しました。

4. 物盗られ妄想、まずは共感が大切

物盗られ妄想への対応で、最も大切なことは、共感の姿勢です。

認知症の方にとって、物は、大切な思い出や安心感の象徴であることが多く、それを「盗られた」という気持ちは、とても不安で辛いものです。その気持ちを理解し、共感することで、認知症の方は安心感を得ることができます。

  • 「それは、困ったね」と、気持ちに寄り添う言葉をかける。
  • 「私も一緒に探すね」と、協力的な姿勢を示す。
  • 「見つかるといいね」と、希望を持たせる言葉をかける。
  • 見つからなくても、「残念だったね」と、気持ちを受け止める。

怒ったりせず興奮が強くない場合には、
モノから気をそらすことも有効です。

「先にごはん(トイレ、お風呂、おやつ)行ってきたら?その間わたしが探すよ」
「いったんテレビでもみて、改めて探してみよう」など。

物盗られ妄想への対応は、共感の姿勢が、認知症の方の安心感につながると感じました。

5. 物盗られ妄想を和らげる環境づくり

環境を整えることで、物盗られ妄想を和らげることができる場合があります。

認知症の方は、物の置き場所を忘れたり、物を探すことが困難になることがあります。整理整頓された環境は、認知症の方の混乱を減らし、安心感を与えることができます。

  • 大切なものは一緒に保管する: 財布や鍵などの貴重品は、認知症の方と一緒に保管場所を決め、一緒に保管するようにしましょう。
  • 物を置く場所を決めておく: よく使うものは、置く場所を固定し、認知症の方にも分かりやすいようにしておきましょう。
  • 整理整頓を心がける: 部屋を整理整頓し、物が散乱しないように心がけましょう。

環境を整えることは、認知症の方の混乱を減らし、安心感を与え、物盗られ妄想を和らげる効果があると感じました。

6. 介護者の気持ちを整理する、3つの方法

物盗られ妄想に対応する介護者は、ストレスを抱えやすいものです。介護者自身の気持ちを整理することも大切です。

認知症の方の妄想に付き合うことは、精神的な負担になることがあります。介護者自身が、冷静に状況を受け止め、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。

  • 妄想は病気の症状と理解する: 物盗られ妄想は、認知症の症状の一つであり、認知症の方の性格や人格によるものではないと理解しましょう。
  • 自分を責めない: 物盗られ妄想を解決できなかったり、認知症の方の訴えにうまく対応できなかったりしても、自分を責めないようにしましょう。
  • 相談できる場所を確保する: 家族、友人、医療機関、地域包括支援センターなど、信頼できる人に相談しましょう。

介護者自身が、妄想を冷静に受け止め、ストレスを溜め込まないことが重要だと分かりました。

7. 物盗られ妄想、一人で悩まず相談を

物盗られ妄想は、一人で抱え込まず、専門家や周囲の人に相談することが大切です。

認知症介護は、長期にわたるため、介護者が一人で抱え込んでしまうと、心身ともに疲弊してしまいます。周りの人に頼り、介護の負担を分担することで、より長く介護を続けることができます。

物盗られ妄想は、一人で抱え込まず、周りの人に相談することが大切だと再認識しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

check