入居後1週間で変わる?グループホームに潜む誤解と本音5つ

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。
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安心のはずが、不安に変わる瞬間

「もっと“家庭的”かと思ってました…」

入居から1週間、母を預けた娘さんがぽつりとこぼした一言。資料も下調べも入念にしたつもりなのに、どこかに違和感が残る——そんな感覚は決して珍しくありません。

「グループホーム 不安」「認知症 施設 後悔」などのキーワードでこの記事にたどり着いたあなたも、きっと同じ気持ちを抱えているのではないでしょうか。

この記事では、認知症の親を支えるキーパーソンがよく感じる「グループホームへの不安」と、その背景にある誤解を解きほぐします。

私は、回復期病棟で長年看護師として勤務しており、患者さんとその家族、そして施設とのやりとりの中で得た経験を元に、等身大でお伝えします。


実際どうなの?グループホームの“雰囲気”

少人数ケアのねらいと特性

「9人しかいないって…逆に大丈夫?」

そう感じる方も多いかもしれません。でも、少人数制は、認知症ケアの本質でもあります。なじみのある人、なじみのある場所、そして繰り返される日常こそが、安心と安定を生みます。

“家庭的”の正体は「ゆるやかさ」

「思っていたより、ゆるいな…」

それは“施設”として見るからかもしれません。グループホームは「生活の場」であり、型通りの時間管理よりも、その人のペースに寄り添うことを優先します。

「名もなき時間」が記憶を支える

ある入居者さんが、スタッフの名前は思い出せなくても「笑ってくれる人ってわかる」と話してくれたことがありました。記憶に残るのは名前より、表情や声のトーン。その積み重ねが信頼になります。


よくある不安と、その背景にある“誤解”

「活動が少ないように見える」

「ずっと座ってるだけでは?」

認知症ケアでは、過度な刺激よりも穏やかさが大切。静かな時間を共有すること自体が、心の安定につながります。

小さなことが、大きな支援になる

例えば、ゆっくり歩く時間や、タオルをたたむ作業が、認知機能の維持に繋がることも。刺激よりも“安心できる繰り返し”が、グループホームの軸です。

「ナースコールが遅い気がする」

病院のように即応する体制ではない分、職員は**“気づく力”**に長けています。あえて手を出さずに見守る——それが支援になることもあるのです。

見守ることで“できる力”を保つ

「できない」と言った方が、職員が一歩下がることで自力で行動し始めた場面もありました。あえて“待つ”ことで、自尊心を守れることがあります。

「医療が足りないのでは?」という不安

グループホームは医療機関ではありません。でも、訪問診療や訪問看護と連携しているケースが多く、必要な医療支援は確保されています。

医療依存度が高い方は事前確認を

持病や服薬管理などがある場合は、事前に確認しましょう。入居後のトラブルを避けるためにも、「医療との距離感」を把握することが大切です。


納得できる選び方をするために

内装よりも「声のかけ方」に注目

私は施設を見学するとき、職員の手の動き利用者の表情を見ます。内装よりも、スタッフのまなざしや声かけのほうが、ケアの質をよく映し出してくれるからです。

家族が“譲れない軸”を明確に

すべてを満たす施設はありません。「医療の安心感」「生活の自由度」「家からの距離」など、何を最も大切にしたいかを整理しておくと、迷いが減ります。

“文句”より“協力”のスタンスが吉

「なにかあったらすぐ苦情」ではなく、「こまめに情報共有」する姿勢が、信頼関係を育みます。現場の職員は、家族の声を“医療情報”と同じくらい重要視しています。


まとめ:その不安、あなただけじゃない

  • グループホームは「生活の場」。病院とは違う視点が必要。
  • 少人数・馴染みの関係が認知症の安心感に繋がる。
  • 医療支援は“連携型”。依存度が高い場合は事前確認を。
  • 「活動の多さ」より「穏やかな繰り返し」を評価して。
  • 職員の声かけや対応から“質”を見抜く目を。
  • 自分たちの「譲れない軸」を明文化しておくと迷いにくい。
  • クレームより「協力関係」が介護の質を高める。

💬 最後に

「ここで良かったのか」——その不安を抱えるのは、あなただけではありません。

でも、情報を集め、現場の温度を感じ、選んだあなたの選択には意味があります。

このページをブックマークしておけば、いつでも確認できます。
いざという時の安心のために、ぜひ保存しておいてください。

不安になったら、一人で抱え込まず、この記事を開いて確認しましょう。

「この記事が役に立った」「共感した」そんな声をぜひコメントで聞かせてください。
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あなたのケアの一歩が、明日の安心につながりますように。

グループホームと余暇活動のイラスト

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