「入院をきっかけに、認知症の親が急に進行したように感じて不安です…なぜ、入院すると認知症が進んでしまうのでしょうか？」
「入院中の認知症の親に、何かできることはありますか？ 病院のスタッフに任せきりではなく、親を支えたいと思っています。」
「入院中の親の介護をしていると、私も疲れ切ってしまいそうです…。どうすれば、親も私も、少しでも楽になれるのでしょうか？」
もし、あなたが今、このような不安や疑問を感じているなら、この記事はきっとお役に立てるでしょう。
高齢の親が入院すると、認知症の症状が急に進んだように感じることがあります。
この記事では、その理由を説明し、入院中の親を支えるために、キーパーソンである家族ができることを7つのポイントにまとめました。
この記事を参考に、入院中の親に寄り添い、安心して治療を受けられるように、共に考えていきましょう。
1. 入院で認知症が進む？まずは理解を
高齢の親が入院すると、少し見ない間に認知症が進んだように感じることがあるかもしれません。それは、決して珍しいことではなく、入院という環境の変化が、認知症の症状に影響を与える可能性があるためです。
認知症は、脳の神経細胞が徐々に失われていく病気であり、その進行を完全に止めることは難しいのが現状です。そのため、症状がゆっくりと進んでいくことは、自然なことと理解し、受け止める必要があります。しかし、入院という環境は、認知症の方にとって大きな負担となり、症状が一時的に悪化するように見える場合もあります。住み慣れた家から離れ、見慣れない場所で、知らない人たちと過ごすことになる入院生活は、認知症の方にとって、大きな不安や混乱につながるのです。
- 入院前は、自分でできていた着替えや食事が、入院後には難しくなってしまう。
- 入院前は、時々物忘れをする程度だったのが、入院後には、数分前のことを忘れてしまう。
- 入院前は、落ち着いて過ごせていたのに、入院後は、時間や場所が分からなくなり、混乱することが増える。
- 入院前は、穏やかだった人が、入院後に、不安や興奮などの症状が現れたり、夜中に大声を出してしまう。
- 入院前は、食事もできていたのに、入院後には、食欲がなくなったり、眠れなくなったりする。
入院は、認知症の方にとって大きな環境の変化であり、症状に影響を与える可能性があることを理解し、まずは受け止めることが大切です。
2. 医師と相談、治療とケアプラン見直し
入院中に認知症の進行を感じたら、まずはためらわずに主治医に相談し、適切な治療やケアプランの見直しを行うことが大切です。
医師は、症状の変化や進行具合を把握するために、必要な検査や診察を行います。そして、その結果をもとに、薬の調整や変更をしたり、リハビリテーションなどの治療計画を立ててくれます。また、退院後の生活を見据えて、介護保険サービスや利用できる制度についても、アドバイスをしてくれます。
- 親の様子で、特に気になる症状（物忘れの頻度、時間や場所の混乱、感情の変化、睡眠状況、食欲の変化など）を、医師に具体的に伝えましょう。
- 検査結果や診察内容に基づき、現在服用している薬の種類や量を調整したり、新しい薬を試すなど、薬の調整について医師と相談しましょう。
- 理学療法士や作業療法士などの専門家と連携し、リハビリテーションの計画を立てたり、自宅での生活を想定した練習を行うかなどを医師と相談してみましょう。
- 退院後の生活で、介護保険サービスを利用したい場合は、ケアマネージャーに相談し、利用できるサービスや制度について情報を集めましょう。
現在の医療は、チーム医療が基本です。
チーム医療とは、医師を中心に看護師、介護福祉士、リハビリスタッフ、社会福祉士（精神社会福祉士）、管理栄養士、薬剤師などの専門家が患者を担当するシステムです。
複数の専門家が、それぞれの専門家の視点でケアを提案し、よりよい医療を提供しようというシステムです。
もちろん、患者も、患者家族もチームの一員です。
ケアマネージャーや行政（保健師、社協、福祉事務所など）も参加できます。
相談しやすい人に頼りながら、いろんな人を巻き込んでいきましょう！
入院中の認知症の進行には、医師との連携が不可欠であり、治療やケアプランを見直すことで、症状の緩和や、今後の生活の質を高めることができると学びました。
3. 入院中のBPSD悪化？対応を見直そう
入院中に、認知症の症状の一つであるBPSD（行動・心理症状）が悪化している場合は、その原因を探り、対応方法を改めて見直すことが重要です。
BPSDは、認知症の進行や、環境の変化、体調の変化など、様々な要因によって症状が悪化したり、現れ方が変わったりします。そのため、その都度、症状に合わせて、適切な対応をすることが大切です。
- 入院前は、比較的落ち着いて過ごせていたのに、最近、急に興奮しやすくなったり、暴言を吐くことが増えてきた。
- 入院前は、あまり訴えることがなかった幻覚や妄想を、最近よく口にするようになった。
- 入院前は、比較的安定していたのに、最近、不安や抑うつの症状が強くなっている。
- 入院前は、比較的スムーズだった点滴や、治療への協力を、最近、拒否することが多くなった。
- 入院前は、夜は眠れていたのに、最近、夜中に何度も起きて、ナースコールを頻繁に押すようになった。
入院中のBPSD悪化には、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性があるため、その原因を探り、症状に合わせた対応方法を柔軟に見直していく必要があることを理解しました。
4. キーパーソンとして、できること
入院中の認知症の親を支えるために、キーパーソンである家族としてできることは、たくさんあります。
家族は、親の普段の様子や性格、好きなことや嫌いなことなどをよく知っており、親にとって、何よりも安心できる存在です。病院のスタッフと連携しながら、親の心に寄り添い、安心できるようにサポートをしてあげましょう。
- 親が不安を感じている時は、優しく声をかけたり、手を握ったりして、安心させてあげる。
- 医師や看護師に、親の様子や、気になることを伝え、情報共有をする。
- 親の好きなものや、思い出の品を病院に持っていき、安心できる環境を整える。
- 病院のスタッフと協力して、親が少しでも快適に過ごせるように工夫する。
キーパーソンは、入院中の親の心の支えとなり、病院との連携を密にすることが重要だと学びました。
5. 介護者のケアも忘れずに
入院中の親を心配するあまり、キーパーソンである介護者自身も、心身ともに疲れてしまうことがあります。親を支えるためには、まず、介護者自身の心身のケアをしっかりと行うことが大切です。
介護者が疲弊してしまうと、親を支えることが難しくなってしまい、介護の質も低下してしまいます。介護者の心身の健康を保つことは、親の安心にもつながるため、自分のケアも大切にしましょう。
- 毎日、少しでも自分のための時間を作り、休息をとり、心身ともにリフレッシュしましょう。
- 趣味や好きなことを楽しみ、ストレスを解消する方法を見つけましょう。
- 十分な睡眠時間を確保し、体力を回復させましょう。
- バランスの取れた食事を摂り、体の中から健康を維持しましょう。
- もし、不安や悩みを抱えているときは、信頼できる友人や家族、専門家などに相談してみましょう。
介護者自身のケアも非常に大切であり、自身の心身の健康を維持することが、長期的な介護につながると改めて感じました。
6. 焦らず、寄り添う、そのペースで
認知症の進行は、人それぞれです。焦らず、親のペースに合わせて、ゆっくりと寄り添っていくことが大切です。
認知症の人は、環境の変化や、新しい状況に対応するのが苦手な場合があります。そのため、焦って無理強いしたり、急かしたりすると、親を混乱させることがあります。親のペースに合わせて、ゆっくりと、優しく寄り添うことが、親の安心につながります。
- 親が話しやすいように、ゆっくりと、分かりやすい言葉で話しかけ、親の話をじっくりと聞きましょう。
- 親ができること、できないことを理解し、無理のない範囲でサポートしましょう。
- 親のペースに合わせて、ゆっくりと行動しましょう。
- 焦らず、根気強く、親に寄り添いましょう。
認知症の進行には個人差があるため、焦らず、親のペースに合わせて寄り添うことが、親の安心につながることを学びました。
7. 悩まず相談！頼れる場所を知ろう
入院中の認知症の親のことで、悩んだり、困ったりした時は、一人で抱え込まず、必ず周りの人に相談するようにしましょう。
認知症介護は、専門的な知識や経験が必要な場面も多く、一人で抱え込んでしまうと、心身ともに疲弊してしまう可能性があります。専門家や相談窓口を上手に活用し、解決策を見つけていきましょう。
- 病院の医療相談室に相談し、今後の治療方針や、介護についての相談をしましょう。
- 地域の包括支援センターに相談し、利用できる介護保険サービスや、地域の介護資源について情報を集めましょう。
- 介護に関する相談窓口（認知症相談センター、地域包括支援センター、市区町村の窓口など）を利用し、専門家のアドバイスやサポートを受けましょう。
- 認知症の家族会に参加し、同じ悩みを抱える仲間と情報交換をしたり、交流を深めましょう。
- 信頼できる友人や家族に、話を聞いてもらい、気持ちを楽にしましょう。
認知症介護は、一人で抱え込まず、専門家や周りの人に頼ることが大切であることを再認識しました。
