老健3ヶ月ルールの誤解と真実7選

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。

退所を急かされる?それ、本当ですか?

「老健って3ヶ月で出なきゃいけないんですか?」
カンファレンスで、あるご家族が不安げに問いかけてきました。
実際、多くの方が「3ヶ月ルール」という言葉に振り回されています。

しかし現場で働く看護師としては、そう単純な話ではないことを日々実感しています。
この記事では、老健(介護老人保健施設)の「3ヶ月ルール」にまつわる誤解と、実際の運用の違いについて、7つの視点から解説します。
施設入所を検討中の方、退所が近づいて不安な方へ、少しでも安心材料を届けられたら嬉しいです。


老健における「3ヶ月ルール」とは

制度ではなく“目安”として存在

「3ヶ月経ったら必ず退所」という法律や制度はありません。
厚労省の通知では、「リハビリの進捗や在宅復帰の目安として、3ヶ月を一区切りとすることが望ましい」とされています。

つまり、「ルール」というよりは、「節目」という位置づけです。

延長できるケースもある

たとえば以下のような状況では、3ヶ月を超えて入所を継続することがあります。

  • リハビリの効果が続いている
  • 在宅生活の準備が整っていない
  • 退所による心身の不安が大きい

現場でも、患者さんとご家族の状況に応じて柔軟に対応しています。

“期間”ではなく“状態”を見る視点

「あと何日」というカウントダウンではなく、「どのくらい生活に近づいてきたか」を重視するのが老健の本質です。
生活に近い動作(トイレ動作、食事の準備、移動)が自立できるかを、多職種で確認しています。


入所期間を左右する3つの視点

リハビリの到達度

理学療法士や作業療法士が毎日行うリハビリで、基本動作がどこまで安定しているかが大切な判断材料になります。
一つずつ丁寧に積み上げる姿勢は、高く評価されます。

ご家族の支援体制

退所後の生活がうまくいくかどうかは、ご家族の受け入れ体制にも左右されます。
例えば「手すりの設置がまだ」「通所サービスの利用が未定」などがあると、延長の理由となりえます。

施設との対話

「まだ準備ができていません」と一言伝えるだけで、相談の場が開かれやすくなります。
施設側も「一緒に考えよう」と姿勢を変えることが多いです。
退所が近づくタイミングでの対話は、特に重要です。


退所が近づいたときに考えること

延長できない場合の選択肢

老健以外にも、多様な介護サービスがあります。

  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • サービス付き高齢者住宅
  • 短期入所(ショートステイ)
  • 自宅介護+訪問看護・訪問リハビリ

これらを組み合わせて、次の一歩を整えることが可能です。

「追い出された」とは捉えないで

「退所してください」と言われると、拒絶されたように感じるかもしれません。
でも現場では、「ここまで頑張ったから、次へ進める」という前向きな意味合いで伝えることが多いのです。

焦らず、丁寧に“次”を決める

退所までにできることはたくさんあります。
制度や費用の相談、見学、家族会議など、一つひとつ進めていきましょう。
「わたしたちに何ができますか?」と声をかけてもらえると、スタッフも全力でサポートしやすくなります。


まとめ:3ヶ月ではなく、生活を見よう

以下のポイントを意識するだけで、焦らずに対応できます。

  • 3ヶ月は目安であり、義務ではない
  • 延長が可能なケースは多く存在する
  • 状態と環境を総合的に評価している
  • 施設との対話は“交渉”ではなく“相談”
  • 退所はゴールではなく次のステージ
  • 1人で抱え込まず、早めに声をかけて

介護は制度だけで語れるものではありません。
その人の人生や家族の物語に寄り添ってこそ、良い選択肢が見えてくると私は信じています。


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老健でリハビリをしているイラスト

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