「せっかく通所サービスを使っているのに、なんだか気が休まらない」「疲れが取れないどころか、予定に追われているような気がする」——そんな声をよく耳にします。
実は、通所型サービスは「使い方次第」で、キーパーソンの負担を軽くするどころか、逆にしんどさを増してしまうこともあるのです。
この記事では、回復期病棟で多くの退院後支援に関わってきた看護師の視点から、「通所サービスを上手に使いこなすための5つのルール」を紹介します。読者は、介護に向き合うあなただからこそ気づける「小さな違和感」に耳を傾けてみてください。
通所介護が負担になるとき
「使ってるのに休めない」のはなぜ?
通所介護は本来、介護者の時間的・精神的負担を軽くするはずのサービスです。しかし、「送り出す準備で毎朝バタバタ」「予定に縛られて自由がない」「急な休みで振り回される」——こうした声を聞くたび、私は現場のギャップを痛感します。
現場で見えた「すれ違い」
患者さんにとっては“行く場所があること”が生きがいでも、キーパーソンにとっては“予定が増えるだけ”というケースもあります。双方のニーズがかみ合っていないと、せっかくの通所が「疲れのもと」になってしまうのです。
通所介護の「設計ミス」に気づく
そこで必要なのは、サービスの“再設計”。たとえば「週何回が最適か」「どの時間帯が家族にとって一番ラクか」を見直すことで、驚くほど日々の負担感が変わります。ここからは、具体的なルールをご紹介します。
看護師が見た通所5ルール
【ルール1】利用目的をはっきりさせる
「昼間に介護者の休息時間をつくるため」「本人の運動不足を防ぐため」——目的が明確なほど、サービス内容の選択にもブレがなくなります。
【ルール2】サービスは“分散”がカギ
1か所に依存せず、訪問リハやショートステイなど他のサービスも含めて「バランス型」で活用すると、急な体調不良やトラブルにも柔軟に対応できます。
【ルール3】“決まった日”をつくる
「毎週火・金の午前は通所」というように“生活の型”を決めておくことで、介護者側の予定調整が格段にラクになります。
【ルール4】困ったら、すぐ相談を
些細な不安でも、事業所に「遠慮なく相談を」。現場スタッフは想像以上に柔軟で、たとえば「帰宅時間の前倒し」なども調整可能なことがあります。
【ルール5】「自分の時間」を死守する
通所に送り出した時間は、買い出しや掃除ではなく「あなた自身の回復時間」として確保を。休むことは、長く介護を続けるための戦略です。
まとめ:介護者が疲れきらないために
通所型サービスは、介護者の味方にも、時に負担にもなり得ます。だからこそ、以下の5点を意識して活用しましょう。
- 通所の“目的”を見失わない
- サービスは一択ではなく“分散型”に
- 決まったスケジュールでリズムを整える
- 気がかりは小さなうちに相談を
- 介護者自身の「余白時間」を守る
「通わせてるのにしんどい」と感じたときこそ、立ち止まって使い方を見直すチャンスです。この記事が、あなたの毎日に少しでも“ゆとり”をもたらせたら嬉しいです。
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あなたのケアの一歩が、明日の安心につながりますように。