在宅介護がしんどい…通所活用の盲点5つ

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。
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通所サービスに「期待しすぎてたかも」と思ったときに

「デイサービス、通わせてるのに全然ラクにならない…」
これは、実際に何人ものご家族が口にしていた言葉です。

在宅介護の頼れる味方、通所型サービス。しかし現場では、「通わせているのに、なぜか疲れが取れない」「休めている実感がない」と感じる方も少なくありません。

本記事では、回復期病棟の看護師として実際に見てきた通所活用の“落とし穴”を、5つに整理してお伝えします。「このままでいいのかな」と感じている方の視界が、少しでもひらけることを願って。


「通ってるのに、しんどい…」の正体

通わせているのに、なぜ疲れが減らない?

デイサービスを使えば、自然と負担が減ると思っていたのに。
実際には、通所に関する予定調整や送迎対応、連絡帳の記入など、やることが意外と多いのが現実です。

「空いた時間」が休める時間になっていない

ある娘さんはこう話してくれました。
「やっと一人になれたと思ったら、掃除と買い出しであっという間に時間が終わるんです」

自由に見える時間も、気持ちが張ったままだと休まりません。
まずは「この日は何もしない時間」と決めておくことで、心にもスペースが生まれます。


「通所頻度が多いほどラク」は思い込み?

増やせば増やすほど、ラクになる?

週1から週3、そして週5へ…。通わせる回数が多いほど介護はラクになると思いがちです。
しかし、毎日の準備や送迎は介護者の体力と集中力を削ります。

回数より「組み合わせ」で負担は減らせる

ある方は、週5通所から週2+訪問介護に変えたところ、体も気持ちもラクになったと語ってくれました。

大切なのは「どれだけ通わせるか」ではなく、「どんな組み合わせでサポートを得るか」です。
訪問、ショートステイ、家族の手分けなども含めて、全体のバランスを見直してみましょう。


「自由時間」にも罪悪感を覚えるとき

「自分だけ楽をしているようで…」

通所を利用していること自体に、後ろめたさを感じてしまう方も多くいます。
とくに、本人が嫌がる場合や、家族の反応が薄い場合など、「これでよかったのかな」と迷いが生じやすいのです。

「自分を守ること」も、介護のひとつ

介護はマラソンです。
無理をして続けるのではなく、自分の生活や気力を保てる仕組みを整えることが、結果的にご本人の安心にもつながります。

自分を責める気持ちが湧いてきたら、「これを続けられるか?」と問い直してみてください。


気づかぬうちに「思考の過労」が起きている

休んでいるはずなのに、気が休まらない

頭の中は常にフル回転。
「次は何時にお迎えだっけ?」「あの薬、切れてないかな?」そんな思考が止まりません。

「考えなくていい時間」を意識的に作る

タイマーを20分にセットして、ぼーっとお茶を飲む。
それだけでも、脳の疲労感はリセットされやすくなります。

また、ToDoリストを紙に書き出して「今日はこれ以上やらない」と決めるのも効果的です。


「なにか足りない」気がするときは

頑張ってるのに、報われていない気がする…

介護って、正解がないからこそ不安になりますよね。
「このままで大丈夫なのかな」と感じるのは、あなたが手を抜いているからではありません。

看護師として伝えたい、「もう十分やってるよ」

在宅介護を続けているだけで、すでにものすごい努力です。
通所サービスを使っても疲れが取れないのは、あなたのせいではありません。

それは「仕組みの盲点」であり、少しの見直しで改善する余地があります。
その第一歩が、「気づくこと」です。


まとめ:見直したい通所の使い方5つ

  • 通わせるだけでは、心の休息にはならない
  • 回数を増やすより、適切な組み合わせが効果的
  • 罪悪感を持たず、自分のケアも優先していい
  • 思考の疲れには「考えない時間」の工夫を
  • 頑張っている自分を、もっと認めてあげていい

最後に

「こんなにいろいろやっているのに、まだしんどい…」
そう感じたときは、サービスそのものではなく、「使い方」を見直すタイミングかもしれません。

通所サービスは、うまく使えば、あなた自身を支えてくれる頼れる味方になります。

この文章が、少しでも今のあなたの“心の重さ”を軽くする手助けになりますように。

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あなたのケアの一歩が、明日の安心につながりますように。

デイスタッフのイラスト

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