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成年後見制度とは何かを最初に整理する
成年後見制度とは、判断能力が低下した人の財産管理や契約行為を、法律にもとづいて支援・保護する制度です。
認知症などにより、自分で重要な判断が難しくなった場合に利用されます。
「成年後見制度を使えば、財産管理は安心できる」
そう思って調べ始めたものの、どこか不安が残る。
そんな感覚を抱く方は少なくありません。
回復期リハビリ病棟で働いていると、医療や介護は安定しているのに、お金や契約の話をきっかけに家族関係が揺らぐ場面を何度も見てきました。
原因は病状ではなく、「誰が決めるのか」「誰が責任を持つのか」が曖昧になることです。
この記事では、成年後見制度の
- 役割と目的
- 財産管理でできること・できないこと
- 家族トラブルが起こりやすい理由
を、看護師の現場感覚から整理します。
制度を使う前に知っておくことで、判断がぐっと楽になります。
なぜ成年後見制度は財産管理トラブルにつながりやすいのか
看護師が感じ取る「空気の変化」
家族が最初から対立することは、ほとんどありません。
変化は静かに始まります。
質問が
「どんなケアが合いますか?」から
「誰が決める権利を持っていますか?」
に変わったとき。
現場では、この瞬間を一つのサインとして受け取ります。
背景にあるのは欲や悪意ではありません。
「失敗したら責められるかもしれない」
「取り返しのつかない判断になるかもしれない」
という恐れです。
制度の説明に入る前に、
「いま一番不安な決断は何か」を整理すると、話し合いが進みやすくなります。
介護が管理に見えてしまう瞬間
通帳や暗証番号、契約書など、財産管理の話題が増えると、
善意の行動でも「監視」や「支配」と受け取られることがあります。
不安だから確認しているだけでも、
相手には疑われているように感じられることがあります。
迷ったときは、
「責めたいわけではない」
「不安だから一緒に整理したい」
という気持ちを言葉にすることが、誤解を防ぎます。
小さな違和感が一気に広がる理由
レシートが見つからない。
引き落としの理由が分からない。
それだけで疑念は膨らみます。
不確かな情報ほど、人は悪い想像をしがちです。
だからこそ、早い段階での役割整理と情報共有が重要になります。
揉めやすくなるタイミングと家族背景
家族トラブルが起きやすいのは、
施設入所、まとまった支払い、不動産や資産の話が出たときです。
この場面では、
「公平とは何か」
「誰がどれだけ負担してきたか」
といった価値観の違いが表に出ます。
成年後見制度は法的な枠組みを示しますが、
家族の感情や歴史を調整する制度ではありません。
権限と納得は同じではない
後見人が決める権限を持っていても、
家族全員が納得するとは限りません。
「誰が何を決めるのか」を紙に書き出すだけでも、
衝突は減らせます。
公平の基準が違うだけ
平等を重視する人もいれば、
近くにいる人の負担を重く見る人もいます。
どちらも間違いではありません。
制度で解決しようとするより、
違いを認めるほうが楽になることもあります。
成年後見制度に関するよくある誤解
成年後見制度を使えば、
「すべてが整い、揉めなくなる」
と思われがちですが、現実は異なります。
制度の目的は、本人の権利と生活を守ることです。
家族間の感情的な問題を裁くものではありません。
後見人は家族の味方ではない
後見人は、家族の意見を代弁する存在ではありません。
常に本人の利益を最優先に判断します。
冷たく感じることもありますが、
それは不正や不利益を防ぐための中立性です。
手続きが簡単になるわけではない
契約は進めやすくなります。
一方で、報告や管理は増えます。
「何もしなくてよくなる制度」ではないと、
理解しておくことが大切です。
成年後見制度でできることと役割
法的に本人を守るという役割
成年後見制度の中心は、
判断能力が低下した人を法的に保護することです。
感情を整える制度ではありませんが、
危険な契約や不利益を防ぐ力があります。
日常的な契約や手続きの支援
施設入所や介護サービス契約など、
判断が難しい場面で法的な支えになります。
財産管理による被害の予防
詐欺や不適切な支出が心配な場合、
制度が歯止めになることがあります。
財産管理の範囲と現実
毎月の支払いと、資産の扱いは別物です。
ここを混同すると、期待と現実にズレが生まれます。
口座管理と生活費の支払い
年金や利用料など、
複数人が関わる混乱を防げます。
不動産や資産に関する判断
売却や処分は、感情が大きく揺れます。
「できるかどうか」より、
「家族が受け止められるか」が問題になることもあります。
身上監護と医療同意の限界
「後見人が医療同意をしてくれる」
と誤解されやすい点です。
医療説明と同意は別物
署名を求められても、
説明を受けた確認である場合が多いです。
不安なときは、医療機関に
「これは同意ですか、説明確認ですか」
と相談すると安心です。
介護は人の手で続く
後見人が介護を担うわけではありません。
家族、ケアマネ、医療・介護職が引き続き支えます。
成年後見制度の限界と注意点
家族関係を修復する制度ではない
制度は家族関係を良くするものではありません。
むしろ、隠れていた感情が表に出ることがあります。
過去のわだかまりが表面化する
介護の偏りや不満は、
お金の話で浮き彫りになりやすくなります。
「疲れている」「こわい」
そう言葉にするだけで、衝突が和らぐこともあります。
会話が減るリスク
書類中心になると、気持ちの共有が減ります。
短時間でも定期的に話す機会があると安心です。
最善のケアを保証する制度ではない
安全と理想は一致しません。
予算と希望を分けて考える
必須なことと、できたらいいこと。
分けて整理すると話し合いが進みます。
施設選びの難しさは残る
条件、距離、空き状況。
制度があっても悩みは続きます。
責任がなくなるわけではない
権限が移っても、家族の気持ちは残ります。
介護の方向性は家族で考える
「元気なとき、どんな選択をしていたか」
その視点が判断を助けます。
関わり続ける意味
説明し、寄り添い続けること。
それ自体が大切な役割です。
よくある質問|法定後見と任意後見の違い
Q:法定後見と任意後見は何が違いますか?
法定後見は、すでに判断能力が低下してから家庭裁判所が開始する制度です。
任意後見は、元気なうちに将来を見据えて契約しておく制度です。
「今は判断できるが、将来が不安」
という場合は、任意後見を検討する余地があります。
まとめ|制度を使う前に確認したいチェックリスト
成年後見制度を考える前に、
次の点を一度確認してみてください。
- 誰が何を決めるか整理できている
- 近いうちに必要な財産管理の判断が見えている
- 制度の役割と限界を理解している
- 医療同意の範囲を把握している
- 不安な気持ちを言葉にできている
- 専門家に早めに相談できている
成年後見制度は、安心を支える道具です。
万能な答えではありません。
この記事が、あなたの迷いを少し軽くできたなら、
同じ不安を抱えている人と、そっと共有してみてください。
早い対話ほど、後悔を減らしてくれます。
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いざという時の安心のために、ぜひ保存しておいてください。
不安になったら、一人で抱え込まず、この記事を開いて確認しましょう。
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