高齢者の動悸と苦しさ、受診を決める3秒チェック

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。

「なんだか息が荒いけど、大丈夫かな?」「動悸がしてるみたいだけど、救急車を呼ぶべき?」
そんなとき、多くのご家族が“迷いの3秒”に立たされます。

回復期病棟で日々患者さんと向き合うなかで、私はこの“判断の瞬間”を何度も目にしてきました。早めの対応で助かったケースもあれば、「もう少し早く決断できていれば」と感じた場面もありました。

この記事では、医療者でなくても使える簡単な3秒チェックをご紹介します。動悸や呼吸の異常を見逃さず、「呼ぶべきときに呼ぶ」ための視点を、現場の看護師としてお届けします。


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動悸と呼吸苦に気づくためのポイント

「動悸かも?」と思ったら

高齢者の動悸には、不整脈など心臓由来の問題が潜んでいることがあります。脈の乱れや胸の違和感、ふらつきを伴う場合は要注意です。

特に、普段と違う「脈が速い・飛ぶ・不規則」などの症状がある場合は、様子を見過ぎないほうが安心です。

息苦しさを見極めるには

安静にしているのに息が苦しそう、顔色が青白い、唇が紫がかっている──それは、酸素がうまく体に行き届いていないサインかもしれません。

高齢者では、本人が「苦しい」と言えないこともあるため、見た目の変化をしっかり観察することが大切です。

背景にある可能性のある病気

心不全やCOPD、心房細動などの不整脈は高齢者に多く見られます。
また、利尿薬や心臓の薬の影響で電解質が乱れていることも。

こうした背景がある場合は、軽い変化でも「ただの老化」と見過ごさないことが大切です。


迷わず救急車を呼ぶべき場面

こんな症状が出たら、すぐに行動を

  • SpO2が90%未満(パルスオキシメーターがあれば)
  • 意識がもうろうとしている、反応が遅い
  • 胸が締めつけられるように苦しい、冷や汗や吐き気がある

これらのサインが出ているときは、ためらわず救急要請を。一刻も早い対応が命を救う場面です。

見過ごされやすい初期症状

  • 突然ぼんやりして、話が通じにくい
  • 呼びかけに反応が鈍い、言葉が出にくい

こうした微細な変化も、脳の酸素不足のサインであることがあります。「なんとなく変だな」と思った時点で、何らかの行動を起こすのが安心です。


3秒でできるセルフチェック法

観察:呼吸の様子を見る

  • 話すと息切れする
  • 呼吸数が多く、努力して息をしている様子がある

このような場合は、呼吸の余裕がなくなってきている可能性があります。

計測:数値で判断する

  • SpO2が92%以下(軽度低下でも要観察)
  • 脈拍が不規則または120を超える

ご家庭にパルスオキシメーターがある場合は、ぜひ活用してください。数値だけでなく、「普段と違う」という違和感も大切です。

声かけ:反応を確認する

  • 「今日は何曜日?」など簡単な問いかけをしてみましょう
  • 反応が遅い、的を射ない答え、うまく言葉が出てこないなどは、脳への酸素供給低下の可能性があります

✅ この3つのうち、2つ以上が当てはまるなら、救急車を呼ぶ判断を強く検討してください


救急隊員に伝えるべき内容

状況は“そのまま”で伝える

  • いつから、どんな症状が出ているか
  • SpO2、脈拍数、不整脈の有無
  • 既往歴(心不全、不整脈、呼吸器疾患など)や服薬内容(利尿薬、不整脈の薬など)

曖昧な表現よりも、「見たまま」「気づいた変化」を具体的に伝えることで、適切な対応がスムーズになります。


まとめ:3秒の判断が、後悔を減らす

救急車を呼ぶか迷うとき、「呼びすぎたかも…」と感じる方もいます。
けれど、本当に怖いのは、「呼ぶのが遅すぎた」後悔です。

まとめチェックリスト:

  • 会話が途切れるほどの呼吸困難
  • SpO2が92%以下
  • 動悸が強く、脈が速い・乱れる
  • 反応が鈍い、混乱している
  • 胸の痛み、冷や汗、吐き気などを伴う

2項目以上が当てはまれば、救急車を呼ぶのがおすすめです。

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息切れ、動悸のイラスト

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