出血を見て「大丈夫かな」と迷ったあなたへ
「少し血が出ただけ」「様子を見ようか」
その判断が、命を左右することもあります。
私は回復期病棟で働く看護師として、そうした“ほんの少しの迷い”が大きな事態に繋がる瞬間を何度も見てきました。
この記事では、高齢者の出血に直面したときに「救急車を呼ぶべきかどうか」を迷わず判断するための6つの場面をお伝えします。
高齢者の出血が危険な理由
高齢者は、血管がもろく、止血力も低下しています。
さらに、血液をサラサラにする薬を服用している方も多く、小さな傷が大きな出血につながることがあります。
- 目に見える外出血(転倒、切り傷、鼻血など)
- 目に見えない内出血(内臓出血、脳出血など)
これらを「いつものこと」と放置せず、状態の変化に気づくことが命を守る第一歩です。
迷わず救急車を呼ぶべき6つの場面
1. 圧迫しても止まらない出血
10〜15分以上止まらない場合は危険信号。
止血ができなければ、すぐに救急車を呼ぶのが安心です。
2. 吐血・喀血(血を吐いた・咳で血が出た)
量や色を観察しつつ、座らせて落ち着かせ、直ちに救急要請を。
胃や肺の深刻な出血が疑われます。
3. 黒い便・血便
黒くてタール状の便は、胃や腸からの出血サイン。
ふらつきや顔色不良を伴えば、緊急性が高まります。
4. 出血による意識障害やふらつき
血圧低下による意識もうろうやめまいは危険。
安全な場所に寝かせて、救急車を呼びましょう。
5. 転倒後の頭部出血
小さな傷でも、脳出血が隠れていることがあります。
ろれつが回らない、嘔吐、ぼんやりするなどは即受診。
6. 鼻血や歯ぐきの止まらない出血
10分以上止まらない鼻血や、歯ぐきからの出血が頻発する場合は、抗凝固薬の影響も考えられます。
様子を見てもよい出血とは?
- 圧迫で止まる軽度の切り傷や擦り傷
- 数分で止まる鼻血
- 既往歴にある慢性的な皮下出血で拡大が見られないもの
それでも「いつもと違う」と感じたら、早めの受診が安心です。
救急隊に伝えるべき3つのこと
- 出血の場所・量・経過
「10分以上止まらない」「布が何枚も真っ赤に染まった」など。 - 持病・服薬情報
抗凝固薬、出血性疾患、直近の手術歴は特に重要。 - 観察した症状
「顔色が悪い」「意識がぼんやりしている」など、事実をそのまま伝えましょう。
最後に:迷ったら行動する勇気を
- 圧迫しても止まらない
- 血を吐いた、黒い便が出た
- 意識がもうろうとしている
- 頭部を打って出血している
- 鼻血や歯ぐきの出血が止まらない
これらに当てはまるなら、すぐに救急車を呼ぶのが最優先です。
「呼びすぎたかも」と思う必要はありません。
後悔しない行動が、ご本人とご家族を守ります。
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不安になったら、一人で抱え込まず、この記事を開いて確認しましょう。
あなたのケアの一歩が、明日の安心につながりますように。