「様子を見ていい頭痛」と「命に関わる頭痛」の違い
「とりあえず様子を見ようか」——そう思ったその時、判断を迷った経験はありませんか?
回復期病棟で働く私も、何度も目の当たりにしてきました。
ご家族が「大丈夫」と言っても、その奥に危険が潜んでいることがあるのです。
この記事では、高齢者の頭痛に隠れるリスクと、迷わず行動するためのポイントをお伝えします。
高齢者の頭痛が「怖い理由」
高齢者の頭痛は、単なる疲れやストレスだけでは済まないことがあります。
特に注意が必要なのが「脳卒中」や「脳出血」といった命に関わる疾患です。
見落としがちなサイン
- 突然の激しい痛み
- 片側の手足がしびれる、動かない
- 言葉が出ない、理解できない
- 視界が急にぼやける
- 嘔吐や意識の低下
これらの症状は、「頭痛」だけで判断せず、全身の状態を見ることが大切です。
すぐに行動するべき5つの場面
経験したことのない激しい頭痛
「こんな頭痛は初めて」と感じたら、脳出血の可能性があります。
嘔吐や意識がもうろうとする場合は、迷わず救急車を。
手足のしびれや動かしにくさ
片側だけ力が入らない、しびれる場合は脳梗塞の初期サインかもしれません。
すぐに「顔の左右差」「腕が上がるか」「会話ができるか」を確認しましょう。
言葉がうまく話せない、視界がかすむ
急な言語障害や視力の低下は、脳への血流が妨げられている危険信号です。
簡単な質問で反応を確かめ、異常があれば即通報。
意識を失う、けいれんを起こす
頭痛の後に倒れる、けいれんが起こる場合は、脳圧が急上昇している可能性があります。
呼吸を確保し、救急車を呼びましょう。
吐き気・嘔吐が止まらない
高齢者の嘔吐は「消化器の問題」と思いがちですが、脳卒中のサインにもなります。
頭痛と合わせて出現した場合は、迷わず医療機関に連絡を。
様子を見てもいい場合とは?
もちろん、すべての頭痛が緊急ではありません。
以下の場合は、慎重に様子を見る選択もあります。
- いつもの偏頭痛と同じパターンで、薬が効く
- 緊張型頭痛で、休息やストレッチで改善
- 会話も動作もスムーズで異常がない
ですが、「いつもと違う」「不安を感じる」ときは、無理せず相談するのが正解です。
救急車を呼ぶときに伝えるべきこと
焦らず、事実をそのまま伝えれば大丈夫です。
具体的な伝え方
- 「2時半ごろから右手が動かなくなった」
- 「会話ができない、反応が遅い」
- 「強い頭痛で吐き続けている」
さらに、既往歴や服薬情報をあらかじめまとめておくと安心です。
「呼びすぎたら迷惑かも」と考えなくて大丈夫。
医療者は「間に合わなかった」ことを一番恐れています。
まとめ:迷ったら行動する勇気を
高齢者の頭痛で迷わないために、次のチェックをしてみてください。
✅ これまでにない強い痛みか?
✅ 手足のしびれ・脱力はないか?
✅ 言葉や視覚に異常はないか?
✅ 意識の低下やけいれんはないか?
✅ 嘔吐が止まらず続いていないか?
どれか一つでも当てはまれば、すぐに救急車を呼ぶべきタイミングです。
「呼んでよかった」と思える選択を。
その一歩が、大切な命を守ることにつながります。
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