「救急車…今呼ぶべき?」に備える7手順

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。

深夜2時過ぎ、病棟の電話が鳴りました。
「母の呼吸が変なんです…。救急車、呼んだほうがいいですか?」

ひとりでお母さんを介護する女性の声は、不安に揺れていました。私はリハビリ病棟で働く看護師として、こうした“夜中の迷い”に何度も向き合ってきました。

この記事では、そんな不安に寄り添いながら、「本当に呼ぶべきか迷ったとき」に役立つ7つの備えを紹介します。

  • 急変に気づいたら、どう判断する?
  • 救急車を呼ぶべき症状って?
  • 事前に準備しておくべきこととは?

「もしものときに、ちゃんと対応できるかな」
そんな思いを抱えるあなたのために、現場の視点で実践的にお届けします


なぜ緊急対応の備えが重要なのか

夜間は、体調が悪化しやすいだけでなく、相談先が限られている時間帯です。
「朝まで様子を見ても大丈夫だろう」と思ってしまいがちですが、それが命取りになることもあります。

介護者の多くが、「これは大丈夫」「ちょっとした疲れかも」と迷ってしまうのが現実です。
でも、備えがあれば、“行動に移せる自分”をつくることができます

医療の知識よりも大切なのは、「何を見るべきか」「どう行動するか」の具体的なステップです。


夜間の高齢者介護で起こりやすい“見落とし”

特に夜は、疲労や暗さもあり、小さな変化に気づきにくくなります。
「ちょっと呼吸が浅い?」「声をかけても反応が鈍い気がする…」そんな不安を抱えても、つい様子を見てしまう方も多いのではないでしょうか。

しかし、その“少しの変化”が、実は重大なサインだったということも少なくありません。
判断に迷ったときに行動を後押ししてくれるのが、「自分でつくるチェックリスト」です。


緊急対応キットを整えよう

私たち医療者が病院で最初に確認するのは、「何が起きたか」だけではありません。
**患者さんの持病や服薬状況、過去の経過など“背景情報”**があることで、より早く正確な対応ができます。

このような場面を想定し、以下の3つを備えておくと安心です:

  • 連絡先リスト
  • 医療・服薬情報
  • 緊急時の行動フロー(手順書)

連絡先リストは紙とスマホの両方に

最低限、以下の情報は一覧にして、すぐ見える場所に貼っておきましょう。

  • 主治医の名前と診療時間
  • 最寄りの救急病院
  • ケアマネジャーや訪問看護の連絡先
  • 救急相談窓口(例:#7119)
  • かかりつけ薬局の番号

玄関や冷蔵庫、電話機のそばなど、目につきやすい場所がおすすめです。


医療情報は1枚にまとめておこう

いざという時に「薬の名前が分からない」「どんな病気があったっけ?」と慌ててしまうことがあります。
そのようなときのために、次の情報をA4用紙1枚にまとめておきましょう。

  • 現在の病名・診断名
  • 服用中の薬(薬名・用量)
  • アレルギーの有無
  • 延命に関する希望(ある場合)

家族が話せなくても、この紙が“本人の代弁者”になります。


緊急時の行動チェックリスト

パニック時は、頭が真っ白になってしまうこともあります。
そんな時こそ、「何をするか」が書かれたチェックリストが力を発揮します。

  • 救急車を呼ぶ症状の目安
  • 通報時に伝えるべき情報(症状・年齢・状況)
  • 呼び出し後にやるべき準備(玄関の施錠解除・ペットの対応など)

スマホのメモでもOKですが、紙にして壁に貼っておくと誰でも使えます。


救急車を呼ぶべき“5つの症状”

「救急車を呼ぶべきかどうか」は、最も迷いやすいポイントです。
以下の症状が見られたら、迷わず通報するのがおすすめです

  • 呼びかけに反応しない
  • 呼吸が浅い・不規則・止まりそう
  • 胸の痛み、脈の乱れ
  • 顔がゆがむ、ろれつが回らない、片手が上がらない
  • 明らかに様子がおかしい(急な混乱、異常な汗など)

こうした症状は、脳卒中や心筋梗塞のサインかもしれません。


落ち着きを取り戻す“3ステップ”

判断に迷ったら、次のように行動してみてください。

  1. 深呼吸を1回
  2. チェックリストを手に取る
  3. 書かれている通りに読んで対応

準備しておいた手順が、動揺する気持ちを支えてくれます。


看護師が“まず見るポイント”とは

私たちが患者さんを見たときに最初に確認するのは、「いつもと違う」という変化です。

  • 顔色は?(白っぽくないか、青ざめていないか)
  • 呼吸は?(浅い・速い・止まりがちではないか)
  • 意識は?(名前を呼んで反応があるか)

これらは医療知識がなくても、日常を知るあなたが一番気づけることです。


後悔を減らすために「今」できること

「もっと早く気づいていれば…」
「様子を見るべきじゃなかった」
そう後悔する方を、私は何人も見てきました。

ですが、この記事を読んでくださっているあなたには、そうなってほしくありません。


実際のケースが教えてくれたこと

あるご家族は、「ただ疲れているのかも」と判断して数時間様子を見てしまいました。
結果、救急搬送時には症状が進行しており、回復までに長い時間がかかりました。

今では、その方は冷蔵庫に緊急連絡先と手順シートを貼って、いざという時に備えています。


「知っていればできたのに」を減らすために

この記事は、介護者の「知らなかった」を埋めるために書きました。
情報は行動に変わり、行動は安心を生みます。

あなたも、今日からできることを1つだけでも始めてみませんか?


まとめ:今すぐできる“7つの備え”

  • ✅ 主治医・救急・相談先の連絡先を一覧に
  • ✅ 服薬・病歴・アレルギー情報を1枚にまとめる
  • ✅ 緊急時の手順チェックリストを用意
  • ✅ 危険なサインを把握しておく
  • ✅ 紙ベースの情報を玄関など見える場所に置く
  • ✅ 家族・ヘルパーにも共有しておく
  • ✅ 夜間の急変に備えてシミュレーションしておく

あなたの小さな一歩が、大きな安心につながります。
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あなたの備えが、誰かの支えになりますように。

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不安になったら、一人で抱え込まず、この記事を開いて確認しましょう。

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あなたのケアの一歩が、明日の安心につながりますように。

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