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医療保険制度とは?キーパーソンが知っておくべき医療と介護の関わり
「医療保険と介護保険、何がどう違うのか分からない」
現場でご家族から、何度も聞いてきた言葉です。
病院では医師や看護師が関わり、退院後は介護サービスが始まる。
その切り替わりの中で、キーパーソンだけが置き去りになる場面を、私は何度も見てきました。
この記事では、
「制度の説明」で終わらせず、
生活の中でどう理解し、どう使えばいいかを、看護師の視点でお伝えします。
医療保険制度の基本を押さえる
医療保険制度は何のためにあるのか
「そもそも医療保険って、何を守る制度なのでしょうか。」
医療保険制度の目的は、とてもシンプルです。
病気やけがをしたとき、誰もが必要な医療を受けられるようにすること。
国民健康保険や健康保険組合など、種類は違っても、
共通しているのは「治療のための制度」だという点です。
現場で見ていると、
「治ること」を前提に医療は動きます。
検査、診断、治療、その結果としての回復。
つまり、医療保険は
**“今の病気・けがに対応するための制度”**です。
医療保険の種類と対象者
「自分はどの医療保険に入っているのか、把握できていますか。」
会社員なら健康保険、
自営業や退職後なら国民健康保険。
高齢になると後期高齢者医療制度に移行します。
制度は違っても、
医療費の自己負担を軽減する仕組みであることは同じです。
つまり、キーパーソン目線では、
「病院にかかるときに使うのが医療保険」
まずは、ここを押さえておくと混乱が減ります。
医療保険でできること・できないこと
ここが一番、誤解されやすいところです。
医療保険でできるのは、
・診察
・検査
・治療
・投薬
一方で、
日常生活を支える行為は対象外です。
食事の介助、入浴の見守り、生活リズムの支援。
これらは医療ではなく、介護の領域になります。
「病院を出たら、同じ支援は続かない」
その理由は、制度の役割が違うからなのです。
医療と介護はどうつながっているのか
高齢者は複数の疾患を抱えている
「治療が終われば安心、とは限らないのが現実です。」
高齢者の多くは、
高血圧、糖尿病、心疾患、認知機能の低下など、
複数の問題を同時に抱えています。
医療は「悪化した部分」を治療します。
介護は「生活全体」を支えます。
どちらか一方では、足りないのです。
医療と介護が連携しないと何が起きるか
現場では、こんなことが起きます。
退院後、
・薬はあるけど飲めない
・通院したいけど付き添いがいない
・転倒して再入院
これは「本人の問題」ではありません。
制度の切り替えを支える人が足りないのです。
だからこそ、
医療と介護は、別物でありながら、
連携して初めて意味を持つと私は感じています。
医療保険と介護保険の役割分担
簡単に整理すると、こうです。
- 医療保険:治療・診断・急性期対応
- 介護保険:生活支援・継続的な見守り
つまり、
「治す」のが医療、
「暮らしを続ける」のが介護。
キーパーソンは、
この切り替わりのタイミングを見極める役割を担っています。
キーパーソンが知っておくべき視点
医療保険は“生活を支える制度”ではない
「病院に任せておけば安心」
そう思いたい気持ちは、とても自然です。
でも、医療保険は、
生活のすべてを支える制度ではありません。
退院後の生活をどうするか。
そこを考えるのは、
医療の外側にいる人たちです。
医療保険と介護保険は相互補完関係
どちらが上、どちらが下、ではありません。
医療があるから命が守られ、
介護があるから生活が続きます。
つまり、
両方を理解している人が、家族に一人いるだけで、状況は大きく変わるのです。
キーパーソンが最初にやるべきこと
迷ったときは、次の3つを確認してください。
- 今、必要なのは「治療」か「生活支援」か
- 主治医は、退院後の生活をどう考えているか
- 介護サービスにつなぐ準備はできているか
すべて完璧でなくて大丈夫です。
考え始めた時点で、もう一歩進んでいます。
まとめ:迷ったときのチェックリスト
最後に、現場でお伝えしているポイントをまとめます。
- 医療保険は「治療の制度」、介護保険は「生活の制度」
- 退院=安心、ではない
- 医療と介護は役割が違うからこそ連携が必要
- 一人で判断しなくていい
- 分からないときは、専門職に聞いていい
キーパーソンは、
すべてを背負う役割ではありません。
制度を理解し、つなぐ存在で十分です。
この記事が、
「何から考えればいいか分からない」
その状態から抜け出す、ひとつの手がかりになれば幸いです。
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いざという時の安心のために、ぜひ保存しておいてください。
不安になったら、一人で抱え込まず、この記事を開いて確認しましょう。
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