はじめに|両立が限界だと感じたあなたへ
「ごめん、今日は仕事休めない」 そう言ったときの父の表情が、今も心に残っています。
母が転倒して救急搬送された日。病院へ駆けつけたかったけれど、仕事を優先するしかなかった私。
介護と仕事の両立は、簡単なことではありません。
この記事では、
- 両立がきつく感じる理由
- 仕事を辞めずにできる工夫
- 実際に役立った先輩家族の工夫
について、私が病棟で見てきたリアルな経験からお伝えします。
どれか一つでも、あなたのヒントになれば嬉しいです。 SNSやコメント欄でのご意見もお待ちしています。
Q1|なぜ、こんなにもきついのか?
介護と仕事の両立がきついのは、身体的な疲れだけではありません。
限られた時間、変則的な生活リズム、職場や周囲の理解不足。 積み重なるストレスが心のゆとりを奪います。
厚生労働省の調査(令和4年度「仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業」)では、介護離職の理由として「精神的・身体的負担の限界」が上位に挙げられています。
回復期病棟で働く私のもとにも、「何のために頑張ってるのか分からなくなる」という声が寄せられます。
「私ばっかり…」そう感じるときこそ、負担のサインです。 まずは、その感情に気づいてあげてください。
Q2|仕事を辞めるしかないの?
「もう無理かもしれない…」と思ったとき、仕事を辞める決断を急ぐ必要はありません。
実際には、次のような制度があります。
- 介護休業(通算93日間)
- 介護休暇(年5日まで)
- 時短勤務制度やフレックス制度
- 在宅勤務(職場による)
会社に相談したことで、働き方を柔軟に変えられた事例もあります。 週3勤務とテレワークを組み合わせた方は、「精神的な余裕が戻った」と話していました。
自分と家族にとって何がベストなのか、選択肢を持つことが大切です。
Q3|頼れる制度やサービスは?
介護は家庭だけで抱え込まず、外部サービスと連携することが重要です。
介護保険制度を利用すれば、
- デイサービス(通所介護)
- 訪問介護(ホームヘルパー)
- 短期入所(ショートステイ) などが利用できます。
ケアマネジャーに現状を伝えることで、適切なサービスの提案を受けられます。
例えば、週1回のショートステイを導入した方は、「たった1日でも自分を取り戻せた」と話していました。
「全部やろうとしない」が、継続する介護の鍵です。
Q4|誰にも相談できないときは?
介護の悩みは、相談しづらいと感じやすいものです。
でも、一人で抱え込むと、心身の不調に繋がる可能性があります。
地域包括支援センターでは、介護に関する情報提供や相談が無料で受けられます。 また、介護経験者の声を聞ける家族会や、SNS・オンラインコミュニティも支えになります。
私自身も、誰かに「分かるよ」と言われたことで心が軽くなった経験があります。
声に出すことで、考えが整理され、次の一歩が見えてくるはずです。
Q5|自分の時間をつくっていいの?
「自分の時間なんて贅沢」——そう感じていませんか?
でも、介護は長期的な取り組みです。 自分をケアすることが、結果的に介護の質を高めることに繋がります。
国立長寿医療研究センターの報告(2022年)では、「介護者のストレス軽減には、個人の休息時間の確保が有効」とされています。
たとえば、
- 朝のコーヒータイムを10分とる
- 気の合う友人と週1で電話する
- 入浴時間に好きな音楽をかける
無理のない範囲で、「自分らしい時間」をつくることを意識してみてください。
まとめ|介護と仕事を両立するためのヒント
介護と仕事の両立は、段階的な工夫で確実に軽減できます。
無理なく進めるために、以下のようなステップを意識してみてください。
- 状況を把握し、感情を言語化する
- 職場や周囲に相談する勇気を持つ
- ケアマネジャーに具体的な要望を伝える
- 地域資源や支援機関にアクセスする
- 自分の心と体をいたわる時間を確保する
- 共感できる誰かとつながる機会をつくる
これらの行動を、自分のペースで少しずつ実践していくことが、両立への第一歩です。
一歩ずつでも、自分のペースで進めていけるよう応援しています。 この記事があなたの支えになれば幸いです。
ご感想や体験談があれば、ぜひSNSやコメントでシェアしてくださいね。