医師にモヤモヤしたら読む記事:聞きづらい空気の超え方5つ

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。

「本当にこの治療でいいのかな…でも、先生に聞き返すのはちょっと気が引ける」

これは、私が回復期病棟で何度も耳にしてきたキーパーソンの声です。治療方針の説明を受けたけれど、専門用語が多くてよく分からない。疑問があっても、「忙しそうだから」「こんなこと聞いたら失礼かな」と遠慮してしまうーーそんな葛藤を抱える方は少なくありません。

この記事では、そうした“聞きづらい空気”をどう乗り越えるかを、現場での経験と科学的根拠をもとに5つの視点からお伝えします。医師にモヤモヤを感じたとき、家族として納得のいく選択ができるよう、あなたの背中をそっと押す内容になっています。


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話しづらさの正体を知る

なぜ医師と話しづらいのか

上下関係を前提にしていませんか?

「医師=専門家、家族=素人」という意識が、質問をためらわせていることがあります。実際、患者や家族が医師に質問しづらいと感じている割合は6割以上(厚生労働省調査)とされ、心理的な壁は想像以上に高いのです。

緊張や遠慮が会話を曇らせる

「余計なことを言って怒られたらどうしよう」「忙しいのに邪魔してしまったら」——そんな感情が、“沈黙”を選ばせてしまう背景には、自己防衛の心理も影響しています。


伝え方にコツがある

質問は準備が9割

メモを活用する

事前に疑問点を書き出しておくことで、混乱せずに質問できます。特に「〇〇と××の違いが知りたい」など、具体的に書くことで医師も答えやすくなります。

質問する“タイミング”を見極める

診察の直後や、病棟で忙しそうなときよりも、病状説明の場や家族面談時など、時間が確保されている場面を狙うと、丁寧に答えてもらえる可能性が高まります。


チーム医療を味方につける

相談先は医師だけじゃない

看護師・リハビリスタッフも頼れる存在

「先生に聞きにくいな」と感じたら、まずは看護師やリハビリ職に相談してみましょう。医師とチームで連携しているため、間接的に質問が届くこともあります。

多職種の視点が治療の幅を広げる

栄養士、ソーシャルワーカー、薬剤師など、さまざまな専門職が在籍しているのが病院の強み。治療に関する情報は1人の医師からだけでなく、複数の視点から補完することで、より納得のいく選択が可能になります。


納得できる選択を支える環境づくり

聞くことは“権利”であり“責任”

不安を解消することが最善の治療につながる

聞きたいことを聞けなかったことで、後悔を抱える家族は少なくありません。「聞いておけばよかった」という後悔をしないためにも、勇気を持って一歩踏み出すことが大切です。

医療者との信頼関係を築く第一歩

「遠慮せずに聞いてくれてよかったです」——これは、実際にご家族から質問を受けた際、医師が語った言葉です。質問は医師の“信頼度”を測るものでもあり、関係をよりよくする入口でもあるのです。


まとめ

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 「話しづらさ」は自然な感情。まずは気づくことから。
  • 質問は事前準備で9割が決まる。
  • 医師以外の専門職にも相談できる。
  • 質問することは、信頼を深める一歩。
  • チーム医療を活かせば視野が広がる。
  • 後悔を避けるには「納得できる対話」がカギ。

チェックリスト:

  • □聞きたいことはメモしてあるか
  • □誰にどんな相談をしたか記録しているか
  • □タイミングは適切だったか
  • □疑問に感じたら、まず身近な医療者に共有してみたか

あなたの声が、よりよい治療につながります。

忙しそうな医師をみて戸惑う家族

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