「ポータブルトイレを置いたら怒られてしまって…」
これは、あるご家族から聞いた言葉です。
排泄介助の負担を減らしたい一心で導入を試みたものの、本人に断固拒否されてしまった――。そんな経験は、介護をしている方の多くが一度は通る道かもしれません。
この記事では、ポータブルトイレの導入にまつわる“拒否”の壁に直面したとき、介護者がどのように向き合えばよいかを、現場で見た6つのヒントとともに解説します。
「失敗したかも…」と落ち込む前に、ぜひ読んでみてください。
この記事が、あなたの「次の一手」を考えるきっかけになりますように。
ポータブルトイレ導入の現実
拒否は想定の範囲内
「嫌だ」と言われるのは、介護者のせいではありません。
実際、多くの方が導入時に一度は拒否を経験します。なぜなら、トイレはプライベートな領域。場所が変わることや、“介護される自分”を受け入れたくない気持ちが抵抗感として現れるのです。
感情の根っこを理解する
ポータブルトイレは「恥ずかしい」「年寄り扱いされたくない」と感じる人が少なくありません。その感情を頭ごなしに否定せず、まず受け止めることが、第一歩になります。
選択肢があることを伝える
「これしかない」ではなく、「いくつかの方法がある」と伝えることで、安心感が生まれます。導入ではなく“相談”という姿勢が、本人の気持ちを動かすきっかけになります。
拒否されたときの考え方
一度で成功しなくても大丈夫
導入に失敗したからといって、すべてをあきらめる必要はありません。時間をおいて再提案したことで、受け入れられたケースも多く見てきました。
日常の中に“使う理由”を見つける
たとえば、夜間の転倒リスクやトイレまでの距離など、実際の生活に即した理由をきっかけに再提案すると、納得されやすい傾向があります。
本人のペースに合わせる
焦らず、無理強いせず、本人のタイミングを尊重することで、関係性の摩耗も防げます。
介護者の気持ちにも目を向けて
自分を責めないでください
拒否されたとき、「私の伝え方が悪かったのかも」と自分を責める方が多くいます。でも、それは自然なプロセスの一部。責任をすべて背負う必要はありません。
周囲に頼ることも前向きな判断
訪問看護師やケアマネジャー、地域包括支援センターなど、相談できる場所はたくさんあります。第三者の声が後押しになることも多いのです。
“完璧な介護”は目指さない
理想通りにいかないことは、介護では日常茶飯事。だからこそ、完璧さよりも「続けられるかどうか」に目を向けてみましょう。
まとめ:ポータブルトイレ拒否を超えるために
ポータブルトイレ導入時の拒否は、決してめずらしいことではありません。むしろ、それをどう捉え直すかが、次のステップにつながります。ここで紹介したポイントを再確認してみましょう。
✔ 拒否されるのは自然な反応
✔ 否定せずに感情を受け止める
✔ 失敗しても再チャレンジの余地あり
✔ 本人のペースに合わせる
✔ 自分を責めず、周囲に頼る
✔ 完璧でなく「続けられる」介護を目指す
介護は、誰かを思う気持ちから始まります。でも、思い通りにいかないことがあるからこそ、私たちは悩み、考え、学び続けているのかもしれません。
あなたの気づきや体験が、また誰かの支えになることもあります。
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