「薬が効かない」と感じたときに読む記事
「もう薬飲んでるんですけど、出なくて…」
こうした相談は、現場でも少なくありません。
便秘薬を使っても変化が見られないと、不安や焦りが募りますよね。けれど、便秘には多くの“見落としやすい盲点”があります。
この記事では、便秘薬だけに頼らず、生活の中で実践できる6つの見直しポイントを紹介します。薬を変える前に、まずチェックしてほしい内容です。
腸の動き、止まっていませんか?
体を動かすと腸も動く
活動量が少ないと、腸の蠕動運動も弱まりがちです。特に高齢者や寝たきりの方は、筋力の低下とともに腸の動きも鈍くなります。
朝に少しだけ座位を取る、足踏みをするなど、無理なく続けられる動きが大切です。
姿勢の変化で腸を刺激
排便しやすい姿勢を取れていますか?ずっと横になっていると、重力が働かず便が進みません。
座るだけでも腹圧がかかり、排便が促されることがあります。短時間でも“起きて座る”習慣を意識しましょう。
食事と水分、見直してみましょう
水分不足が便を固くする
便の水分量が足りないと、硬くなって排出されにくくなります。こまめに水分補給ができているか確認しましょう。1日に1000〜1500mlを目安に。
食物繊維もバランスが大事
「繊維をとれば出る」は正解のようで不完全です。不溶性繊維ばかりだと、逆に詰まることも。
水に溶けやすい**水溶性繊維(海藻・果物)**を取り入れ、腸の滑りを良くしましょう。
薬の「種類」、合っていますか?
便秘薬は一種類ではない
便秘薬には、腸を刺激するタイプと、水分を引き込むタイプがあります。
長期間、刺激性の薬を使っていると効きにくくなることもあります。薬の内容を見直すだけで変化があるかもしれません。
医師に「今のままでいいか」を確認
「薬を増やすか減らすか」ではなく、「今の薬が合っているか」を相談してみてください。医師も、患者さんの状態変化に合わせて調整するヒントを求めています。
出ない日があっても焦らないで
便秘の基準は人それぞれ
3日出ていなくても、お腹が張らず食欲があれば問題ないこともあります。
「毎日出さなきゃ」は、介護者の思い込みかもしれません。
排便のプレッシャーが逆効果に
「出た?」「まだ?」と聞かれるたび、本人はプレッシャーを感じてしまいます。
気にかけつつも、“自然に出る”環境づくりに目を向けましょう。
看護の現場で使われている対応策
起床後の一杯で腸が動き出す
朝、起きてすぐに常温の水を飲む。
これだけで、腸の活動スイッチが入る方もいます。白湯や麦茶でもOK。毎朝の習慣にしてみましょう。
「座る」ことが一番の刺激
決まった時間にトイレに座る。出なくても座る。このリズムが腸に“排便の時間だよ”と知らせる合図になります。
看護師としても、“時間と姿勢”の習慣づけを大切にしています。
まとめ|便秘対応に必要なのは「観察力」
- 腸の動きは、生活のリズム次第
- 水分と食物繊維の「バランス」がカギ
- 薬の種類と効果を見直すタイミング
- 毎日出なくても「大丈夫な日」はある
- 習慣化された生活が、薬より効くことも
チェックリスト:
- □ 起きてすぐに水分をとっていますか?
- □ 食事内容に水溶性繊維は含まれていますか?
- □ 排便時間を意識して作っていますか?
- □ 薬の内容、継続期間を医師に確認していますか?
- □ 出なくても慌てずに見守れていますか?
「薬を増やす前にできることがあった」
そんな気づきが、一人でも多くの方に届きますように。
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