看護師が伝える便秘対応の盲点6つ  

著者について
  • 看護師7年目
  • 山間地域の退院支援に従事
  • 認知症サポーター研修受講済み
  • 祖母の介護を5年経験
汐です。

「薬が効かない」と感じたときに読む記事

「もう薬飲んでるんですけど、出なくて…」
こうした相談は、現場でも少なくありません。
便秘薬を使っても変化が見られないと、不安や焦りが募りますよね。けれど、便秘には多くの“見落としやすい盲点”があります。

この記事では、便秘薬だけに頼らず、生活の中で実践できる6つの見直しポイントを紹介します。薬を変える前に、まずチェックしてほしい内容です。


腸の動き、止まっていませんか?

体を動かすと腸も動く

活動量が少ないと、腸の蠕動運動も弱まりがちです。特に高齢者や寝たきりの方は、筋力の低下とともに腸の動きも鈍くなります。
朝に少しだけ座位を取る、足踏みをするなど、無理なく続けられる動きが大切です。

姿勢の変化で腸を刺激

排便しやすい姿勢を取れていますか?ずっと横になっていると、重力が働かず便が進みません。
座るだけでも腹圧がかかり、排便が促されることがあります。短時間でも“起きて座る”習慣を意識しましょう。


食事と水分、見直してみましょう

水分不足が便を固くする

便の水分量が足りないと、硬くなって排出されにくくなります。こまめに水分補給ができているか確認しましょう。1日に1000〜1500mlを目安に。

食物繊維もバランスが大事

「繊維をとれば出る」は正解のようで不完全です。不溶性繊維ばかりだと、逆に詰まることも。
水に溶けやすい**水溶性繊維(海藻・果物)**を取り入れ、腸の滑りを良くしましょう。


薬の「種類」、合っていますか?

便秘薬は一種類ではない

便秘薬には、腸を刺激するタイプと、水分を引き込むタイプがあります。
長期間、刺激性の薬を使っていると効きにくくなることもあります。薬の内容を見直すだけで変化があるかもしれません。

医師に「今のままでいいか」を確認

「薬を増やすか減らすか」ではなく、「今の薬が合っているか」を相談してみてください。医師も、患者さんの状態変化に合わせて調整するヒントを求めています。


出ない日があっても焦らないで

便秘の基準は人それぞれ

3日出ていなくても、お腹が張らず食欲があれば問題ないこともあります。
「毎日出さなきゃ」は、介護者の思い込みかもしれません。

排便のプレッシャーが逆効果に

「出た?」「まだ?」と聞かれるたび、本人はプレッシャーを感じてしまいます。
気にかけつつも、“自然に出る”環境づくりに目を向けましょう。


看護の現場で使われている対応策

起床後の一杯で腸が動き出す

朝、起きてすぐに常温の水を飲む。
これだけで、腸の活動スイッチが入る方もいます。白湯や麦茶でもOK。毎朝の習慣にしてみましょう。

「座る」ことが一番の刺激

決まった時間にトイレに座る。出なくても座る。このリズムが腸に“排便の時間だよ”と知らせる合図になります。
看護師としても、“時間と姿勢”の習慣づけを大切にしています。


まとめ|便秘対応に必要なのは「観察力」

  • 腸の動きは、生活のリズム次第
  • 水分と食物繊維の「バランス」がカギ
  • 薬の種類と効果を見直すタイミング
  • 毎日出なくても「大丈夫な日」はある
  • 習慣化された生活が、薬より効くことも

チェックリスト:

  • □ 起きてすぐに水分をとっていますか?
  • □ 食事内容に水溶性繊維は含まれていますか?
  • □ 排便時間を意識して作っていますか?
  • □ 薬の内容、継続期間を医師に確認していますか?
  • □ 出なくても慌てずに見守れていますか?

「薬を増やす前にできることがあった」
そんな気づきが、一人でも多くの方に届きますように。
SNSでシェアいただけたら嬉しいです。

便秘

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
check